野球・メジャーリーグ・そしてデッド・ターナー
デッド・ターナーと言えば世界初のニュース専門局であるCNNの創業者として有名ですが、メジャーリーグの野球チームであるアトランタ・ブレーブスのオーナーとしても名を知られていました。
ターナー氏によって買収された1976年当時のブレーブスは低迷期の真っ只中にありましたが、記者会見で「5年以内にワールドシリーズに参加するのが目標」と語りました。
熱心な野球ファンでもあった彼はチーム買収直後の開幕戦から早速球場に駆け付け、ファンにスタンディングオーベーションで迎えられ、さらに選手がホームランを打つと客席からフィールドに降りて選手を祝福するという破天荒な行動にも出たといいます。
そして極めつけはあまりに成績が低迷するチームに業を煮やした挙げ句、シーズン途中になんと自ら監督就任してしまったというエピソードでしょう。もっとも、オーナーと監督の兼任は禁止されていたため当時のコミッショナーから退任勧告を受け一試合限りで監督の座を退いています。
こうした行動も全ては野球とブレーブスを愛するがためであり、それ故にファンからも愛されたオーナーであったのでしょう。
メジャーリーグコミッショナーの野球の改革案
昨年、パド・セリグ前メジャーリーグコミッショナーに代わって、ロブ・マンフレッド氏が新しいコミッショナーに就任しましたが、氏は元は弁護士としてMLBの法律顧問を担っていました。
主な担当は労使交渉でしたが、94年から95年にかけての労使協定を巡ってのストライキでは、解決に手腕を発揮したわけです。セリグ氏がコミッショナーとなってからは、顧問弁護士としてフルに働き始め、氏の右腕として労使の橋渡しをしてきたと言えます。
特に、2002年と2006年、そして2011年の労使協定の締結交渉では、野球選手側からの圧力が高まる中、ストライキを回避させることに成功しています。以上の経緯もあって、マンフレッド氏は選手寄りだという批判を受けることが多くなっていますが、セリグ氏がクルマのリース業出身だったことに対して、マンフレッド氏が弁護士出身なことのためと言えます。
それでも、氏はセリグ氏の路線を踏襲すると見られており、其処に自身の色を付けていくのだと思われます。先ずは「社会状況を充分に鑑みて、野球の伝統を守りながら、必要な改革案を実施する」と述べています。
メジャーリーグ野球の規模について
メジャーリーグと日本のプロ野球には、かなり規模の開きがあります。メジャーの場合、1995年頃と比べると総収益がおよそ4倍にも増加していますが、日本のプロ野球は横ばいを続けています。
確かに、日米では球団の数にも差があります(日本は12、メジャーは30)。しかし、球団の数だけで、ここまでの差が生まれるというのは考えにくいことです。その差を生んでいるのは、「リーグビジネス」です。
メジャーには、「チームビジネス」と「リーグビジネス」という二つの収益源があります。チームビジネスとは、それぞれのチームが独自に行っているビジネスのことです。「チケット収入」「グッズ収入」「球場内での飲食物収入」などがあります。
一方、リーグビジネスとは、リーグ全体で行っているビジネスのことです。「全国ネットおよび海外での放映権収入」「オンラインでのグッズ販売」などです。実は、チームビジネスの額は日米とも大差はないので、リーグビジネスが大きく影響しているといえます。
メジャーリーグの応援に行こう!
野茂投手以降、メジャーリーグへ移籍する日本人選手がたくさんいます。
あらゆるリーグ、球団に日本人選手が所属しており、アメリカのどこへ行っても日本人選手の活躍を見られます。
日本人選手の活躍に影響されてか、最近では旅行のツアーにメジャーリーグ観戦が含まれていて、自分たちで試合の観戦に行く、ということが多くなってきています。初めての方は、ツアーを利用して応援に行くのが気軽で楽しいかもしれません。
野球は世界共通ですから、基本的にルールは日本と変わりません。スポーツなので、英語がわからなくても、いったん試合が始まってしまえば言葉の問題など関係なく楽しむことができます。現地の応援は、日本と異なるところがあるので、その違いも味わいながら、周りの人に合わせて楽しみましょう!
メジャーリーグは、球団がたくさんあり、またアメリカは国土がとても広いので、観戦する際には、まずは自分がどの球団の試合を見に行きたいか、どの選手がお目当てなのか、球団の順位なども勉強していくと、より一層メジャーリーグを楽しめることでしょう。
日本のように鳴り物の応援がないので、最初は違和感を覚えるかもしれません。